Monthly Archives: 4月 2010

Mia noto: 再帰代名詞と補語

La urbanoj elektis ŝin ilia urbestro.  市民たちが彼女を自分たちの市長に選んだ。

 

「市民たちが彼女を自分たちの市長に選んだ。」という訳語から考えて、

この例文は La urbanoj elektis ŝin sia urbestroとするべきだと思われるかも知れませんが、

「主語+述語動詞+目的語+補語」の型の文の補語では、「sia」を用いません。

次の文を参照: La urbanoj elektis ŝin, ke ŝi estu ilia urbestro

引用:藤巻 謙一 著『はじめてのエスペラント』JEI 刊

Saka Tadasi: Esperantaj sinonimoj por japanlingvano

作文のためのエスペラント類義語集

著者:阪 直

発行:JEI

初版:200041

 

はじめに

 この類義語集は、日本語のあるひとつの言葉に対して複数のエスペラントの語句が対応する場合、そのうちのどれを選べばよいのか分からないという、学習者の作文上の悩みを解消する一助となることを目指しています。

 類義語は多くの場合、その意味が重なる部分があって、それぞれの語義の差を抽象的に説明するのはかなり難しいことです。ひとつの方法としては、抽象的な説明や定義のかわりに、できるだけ多くの用例を挙げることによって、その語が使える範囲やその類義語との意味の重なる部分や差異を浮かび上がらせるという方法があります。もともと単語というものは、文脈の中でこそ一定の意味をもつものであることを考えれば、この方法が正しい方法といえるでしょう。しかし、この方法では、語義の差異を一読して知るということができないため、初級・中級の学習者にとっては使いにくいという欠点を伴います。そのため、この本では敢えて各語に対して定義づけを行いました。その際、各語の共通部分にではなく異なる部分に目を向けた説明をしているので、ときには狭義に過ぎる説明があるかもしれませんが、これは初級・中級の学習者の作文に役立つには、そのほうが分かりやすいという考えに基づいています。この本では触れることができかった類義語の意味の重なる部分や、単語の周縁部分の微妙な意味あいについては、学習が進んで読む量が増える中で、学習者自身が習得して身につけてゆくものでしょう。

 日本語とそれに対するエスペラントとの訳語は、完全に対応していないことが多く、作文のときに注意しないと、読む人にはまったく違うイメージや概念を与えて誤解の原因となることがあります。この類義語集の末尾にはそのような語句をまとめ、「間違えやすい語句」として掲げておきました。また、作文に役立つように、巻末の索引は特に日本語の部を充実させました。

 この本の執筆に当たっては、国内外の多くの諸先輩の辞典や著作を参考にさせていただいたので、それらの著者の方々に対して深い感謝の意を表します。

2001年1月

阪 直

Mia noto: 二重前置詞

◆二重前置詞は、前置詞を二つ組み合わせたものです。

 

起点

 前置詞「de」「el」とほかの前置詞を組み合わせて、移動の起点や時の起点を表わすことができます。

Kato kuris el sub la tablo.  テーブルの下から猫が駆け出してきた。

Kato saltis de sur la tablo.  テーブルの上から猫が跳び下りた。

 

veni de antaŭ la portego  門の前から来る  [移動の起点]

foriri de apud la patrino  母の傍らから去る  [移動の起点]

fali de super la tegmento  屋根の上のほうから落ちてくる  [移動の起点]

aperi el inter la arboj  その木の間から出現する  [移動の起点]

atendi de antaŭ unu horo  一時間前から待ってる  [時の起点]

tri tagojn de post lia forpaso  彼が亡くなってから三年間  [時の起点]

 

 

到達点

 前置詞「ĝis」とほかの前置詞を組み合わせて、移動の到達点や時の到達点を表わすことができます。

grimpi ĝis sur la pinto  [移動の到達点]

vivi ĝis antaŭ tri tagoj  [時の到達点]

 

 

移動の経路

 次のような二重前置詞も用いられています。

kuri tra inter homoj  人間の間を駆け抜ける

引用:藤巻 謙一 著『まるごとエスペラント文法』JEI 刊

Mia noto: 動詞の相と分詞接尾辞

動詞の相と分詞接尾辞

動詞が瞬間的な動作や変化を表わすものか、持続的な動作や状態を表わすものかによって、分詞接尾辞の結び付きに制限があります。

次のような状態を表わす動詞に、完了を表わす分詞接尾辞「-int-」・「-it-」を付けると、

意味が成り立たなかったり、使う場面が大変限られた表現になります。

×amito, amita, amite  ← ami(~を愛している~を好んでいる

△havinto, havinta, havinte  ← havi(~を持っている~がある

 

開始を表わす接頭辞「ek-」の付いた次のような合成語なら「-int-」・「-it-」を付けても意味が成り立ちます。

○ekamito, ekamita, ekamite    惚れられた人/惚れられた/惚れられて

○ekhavinto, ekhavinta, ekhavinte    入手した人/入手した/入手して

 

次のような瞬間的な動作や変化を表わす動詞に、進行を表わす分詞接尾辞「-ant-」・「-at-」をつなぐのは不自然です。

動作の継続「~しつつある」や反復「繰り返し~している」を表わせますが、実際に用いる場面は少ないでしょう。

△decidanta  決めつつある~    △decidata  決められつつある~

△fermanta  閉めつつある~    △fermata  閉められつつある~

△finanta  終えつつある~    △finata  終えられつつある~

△perdanta  失いつつある~    △perdata  失われつつある~

 

* Nun en la tuta mondo arbaro estas perdata.  今や世界中で森林が失われつつある。

 

自動詞と受け身の分詞接尾辞

自動詞語根に、受け身の分詞語尾「-at-」・「-it-」・「-ot-」が付くことはありません。

×mortita  ← morti  死ぬ

×starita  ← stari  立っている

×sidita  ← sidi  座っている

×ĝojata  ← ĝoji  喜ぶ

 

■但し、次のようなものは用いられることがあります。

itora vojo  進むべき道    (= surirota vojo)

loĝata domo  住人のいる家屋    (= enloĝata domo)

 

引用:藤巻 謙一 著『まるごとエスペラント文法』JEI 刊

Mia noto: “je”

1. 時刻・時・祝祭日

je kioma horo  何時に。 

je la tria horo  3時に。 

je la lasta fojo  最後に。この前に。 

je Kristnasko  クリスマスに。

 

2. 長さ・高さ・重さなどに付いて「ほど・だけ・くらい」

longa je dek metroj  10メートル(だけ)の長さの  = dek metrojn longa 

Li estas pli peza ol mi je kvin kilogramoj.  =  Li estas kvin kilogramojn pli peza ol mi.  (彼は私より5キロ重い)

vojo larĝa je kvin metroj = vojo kvin metrojn larĝa  (幅5メートルの道路)

 

3. ある種の形容詞の補語

avida je sango  (血に飢えた)

riĉa je scio kaj sperto  (知識と経験に富む)

inda je rekompenco  (報酬に値する)

kontenta je sia sorto  (自分の運命に満足している)

malseka je larmo  (涙に濡れた)

senigita je flugiloj  (翼を取り去られた)

tero malseka je sango  (血にまみれた大地)

nigraj nuboj gravedaj je pluvo  (雨雲を孕んだ黒雲)

fekunda je poezio  (豊かな詩藻)

 

4. 動詞の補語

malsaniĝi je la stomako  (胃の病気になる)

senigi iun je la vivo  (…の生命を奪う)

Mi kalkulas je vi.  (あなたを当てにする)

Mi estis operaciita je apendicito.  (私は虫垂炎の手術を受けた。) 

引用

中村陽宇編『辞書がなくても学べるエスペラント語入門』大本エスペラント普及会

エスペラント日本語辞典編集委員会 編『エスペラント日本語辞典』JEI

三宅史平 編『エスペラント小辞典』大学書林

 

宮本正男 編『日本語エスペラント辞典』JEI

 

阪直 編『エスペラント類義語集』JEI

 

Mia noto: 「‐つ」

行きつ戻りつする  jen iri jen reiri ; navede [ piŝte ] iradi.

攻めつ攻められつ  jen atakante jen atakate.

引用:宮本正男編『日本語エスペラント辞典』JEI刊

Falis aviadilo de Polujo kun la prezidanto kaj multaj

En Smolensk, okcienta parto de Rusujo, kraŝis registara aviadilo Tu-154 de Polujo kun la prezidanto Kaczyński, la registaraj koncernatoj, kaj civila familia grupo, ĉiuj mortis pro falo.  Ili ne plenumis la planon okazigi la funebran kunvenon pri Masakro Katyń, en kiam la sovetia sekreta policejo NKVD amase murdis polajn kaptitojn en Mondmilito II. 

中村 陽宇: 辞書がなくても学べるエスペラント語入門

辞書がなくても学べるエスペラント語入門

著者:中村陽宇

発行:大本エスペラント普及会

初版:199389

Floras la violoj Viola×wittrockiana

Belaj floras la violoj Viola×wittrockiana ‘Wine Flash’. 

阪 直: エスペラント初級・中級の作文

「エスペラント初級・中級の作文」
著者:阪 直
発行:JEI
初版:1984年6月24日

はしがき

 この本は、1980年6月から約3年半にわたってLa Revuo Orientaに掲載された「やさしい作文」の課題文の中から選んだ120問を、その文型によって分類し、解説文を全面的に書き替えて編集したものです。

 ここで取り上げている構文は、単文が大部分を占め、複文は関係詞を含む4題のほかはkaj, sed, ĉar, keなどでつなぐ簡単な文になっています。

 

したがって、この本は文字通り「やさしい」作文を取り上げている、初学者向きのものですが、著者としてはもうひとつ別の狙いをもっています。

 エスペラントの学習者のほとんどは独習者ですから、学校で勉強するのと違って、試験で絶えず点検されるということがないため、学習が進んで一応全体としては比較的高い水準に達した人にも、文法や用語に初歩的な知識の欠落が見られることが時どきあります。

 

そこで、この本ではこれまでの入門書ではあまり取り上げられなかった文法上の細かい点や、用語上の注意、特に類義語の説明に力を注ぎ、学習の初期の段階から正しいエスペラント的表現を身につけることができるように配慮しました。

 

 この本が初学者のための演習の場となるだけでなく、もう少し進んだ人たちにとっても「落ち穂ひろい」的役割りを果たす読み物になることができれば、そのもう一つの狙いも成功したことになります

 解説の中では、専門的な文法用語の使用をできるだけ避け、平易で明快な説明を心がけました。また、従来このクラスの学習書ではほとんど扱われなかった「動詞の相」について基礎的な概念を与えるために、「点動詞・線動詞」という新しい用語を使って説明を試みました。この用語は本文中にもときどき出てきますから、構成の都合上、最終章になっている「第6章 点動詞・線動詞について」を最初に読んでから、課題文にとりかかられる方がよいと思います。

 

 この本の出版は、日本エスペラント学会図書部長永瀬義正氏のご尽力によるところが大きいので、ここに心からの謝意を表したいと思います。また、草稿の段階で助言をお寄せくださった泉幸男氏と山川修一氏、たのしいさし絵をかいてくださった堤夕身栄さん、レイアウトと装丁をしてくださった熊倉一氏、校正をしてくださった伊藤俊彦氏、山口紘一氏に対しても深い感謝の意を表します。

 

     1984年5月               阪 直