阪 直: エスペラント初級・中級の作文

「エスペラント初級・中級の作文」
著者:阪 直
発行:JEI
初版:1984年6月24日

はしがき

 この本は、1980年6月から約3年半にわたってLa Revuo Orientaに掲載された「やさしい作文」の課題文の中から選んだ120問を、その文型によって分類し、解説文を全面的に書き替えて編集したものです。

 ここで取り上げている構文は、単文が大部分を占め、複文は関係詞を含む4題のほかはkaj, sed, ĉar, keなどでつなぐ簡単な文になっています。

 

したがって、この本は文字通り「やさしい」作文を取り上げている、初学者向きのものですが、著者としてはもうひとつ別の狙いをもっています。

 エスペラントの学習者のほとんどは独習者ですから、学校で勉強するのと違って、試験で絶えず点検されるということがないため、学習が進んで一応全体としては比較的高い水準に達した人にも、文法や用語に初歩的な知識の欠落が見られることが時どきあります。

 

そこで、この本ではこれまでの入門書ではあまり取り上げられなかった文法上の細かい点や、用語上の注意、特に類義語の説明に力を注ぎ、学習の初期の段階から正しいエスペラント的表現を身につけることができるように配慮しました。

 

 この本が初学者のための演習の場となるだけでなく、もう少し進んだ人たちにとっても「落ち穂ひろい」的役割りを果たす読み物になることができれば、そのもう一つの狙いも成功したことになります

 解説の中では、専門的な文法用語の使用をできるだけ避け、平易で明快な説明を心がけました。また、従来このクラスの学習書ではほとんど扱われなかった「動詞の相」について基礎的な概念を与えるために、「点動詞・線動詞」という新しい用語を使って説明を試みました。この用語は本文中にもときどき出てきますから、構成の都合上、最終章になっている「第6章 点動詞・線動詞について」を最初に読んでから、課題文にとりかかられる方がよいと思います。

 

 この本の出版は、日本エスペラント学会図書部長永瀬義正氏のご尽力によるところが大きいので、ここに心からの謝意を表したいと思います。また、草稿の段階で助言をお寄せくださった泉幸男氏と山川修一氏、たのしいさし絵をかいてくださった堤夕身栄さん、レイアウトと装丁をしてくださった熊倉一氏、校正をしてくださった伊藤俊彦氏、山口紘一氏に対しても深い感謝の意を表します。

 

     1984年5月               阪 直

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