Monthly Archives: 11月 2009

Konisi Gaku: Promenado en Gramatiko de Esperanto

エスペラント 文法の散歩道

著者:小西 岳

発行:JEI

初版:1986年6月15日  改版:2009年10月10日

 

初版へのまえがき

 この本の内容は1983年1月から1986年3月まで、「文法の散歩道」というシリーズとしてLa Movado誌に連載したものです。

 「散歩道」という名前の示す通り、筆者が思いつくままにテーマをとり上げて論じる、言わば「文法雑談」が当初の意図でした。連載が進むうちに学習的な色彩がだんだん強くなってきましたが、決して系統的な文法講座ではありません。随筆的な要素も強いため、筆者独自の意見や、やや冒険的な語法の提案があったりします。また、「関西弁とエスペラント」などという、本筋から離れたおしゃべりも中に混じっています。単行本として出版するに当って、そういった部分を整理してしまおうか、とも考えましたが、むしろいろいろな要素を含んでいた方が読み物としてはおもしろいか、とも思い、敢えて手を加えませんでした。

 連載中は編集部の宮本正男さんをはじめ、愛読してくださった読者のかたがたからも随分と励ましを受けました。この本が世に出ることができたのは、そのおかげです。この場を借りて厚くお礼申し上げます。

 日本のエスペラント運動には、残念ながら、まだ系統的な文法学習書がありません。いずれそういうものを執筆してみたい、という希望だけは筆者も持っているのですが、それが実現するまでの間、この「散歩道」が僅かでも文法学習の手引きとして役立てば幸いです。

    1986年5月13日  小西 岳

改訂新版へのまえがき

 初版の出版されたのはもう20年以上も前のことです。初版のまえがきでは「日本のエスペラント運動には、残念ながら、まだ系統的な文法学習書がありません」と書きましたが、今では藤巻謙一さんの『まるごとエスペラント文法』(2001年、日本エスペラント学会)という好著があります。また、この間、新版Plena Ilustrita Vortaro(2005年、Sennacieca Asocio tutmonda)や『エスペラント日本語辞典』(2006年、日本エスペラント学会)といった辞書類の出版もあり、エスペラントの学習環境は大きく改善されました。が、本書で取り上げた事項の多くは、現在でもなお、中級の学習者のみなさんにぜひ読んでいただきたい内容を含んでいると思います。

 今回の改訂に当たっては、主として時代の変化のなかで古くなってしまった記述を修正することに留意しました。ただ、異色の章である「7. 関西弁とエスペラント」に出てくる、当時の時代背景を反映した事柄については、読み物としての面白さを保つために、そのままにしました。

 なお、最後の章「23. 相対時と絶対時」で述べている使い分けの基準は本書で初めて提示したもので、その後、『エスペラント日本語辞典』の付録にとりいれられたことを付記しておきます。

    2009年4月9日  小西 岳

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小林 司/萩原 洋子: 4時間で覚える地球語エスペラント

4時間で覚える地球語エスペラント

著者:小林 司/萩原 洋子

発行:白水社

初版:2006年7月30日  改版:2008年11月10日

 

はじめに

 エスペラントは1887年にザメンホフによって創案された人造語です。文法が16か条しかなく、現在世界中で実用されている唯一中立の地球語(=国際語)です。大変覚えやすいので、「戦争と平和」を書いた文豪トルストイも「2時間たらずでエスペラントをすらすらと理解できるようになった」と述べて、普及を支援したほどです。

 この天才と同じ時間で私たちがエスペラントをマスターするのは無理だとしても、英語を知っている人ならば、せめて倍の4時間くらいでエスペラントを習得できないものでしょうか。適切な独習書か指導者があれば、それは可能だと思います。

 そういう目的に役立つ独習書を目指して、私どもはこの本を書きました。エスペラントの独習書は今までにも何種類も出版されてきましたが、習得に何週間もかかるカリキュラムが組まれているために学習者が途中で飽きてしまい、学習をやめてしまうきらいがありました。英語の知識を利用することによって習得時間を大幅に短縮したのがこの本の特徴です。

 日本では中学で全員が英語を学んでますから、英語と比較しながらエスペラントを勉強すれば理解しやすい点が多いのです。例えば、estasは「~である」と教えるよりも、「英語のbeと同じだ」と説明する方がよくわかるはずです。単語を覚えるにも、英語と似ている形のものが74%もあるので、fingro(エスペラントの「指」)を英語のfingerと並べておけば覚えやすいに違いありません。「英語をやめてエスペラントを学ぼう」ではなしに「英語を利用して、エスペラントを学ぼう」というわけです。

 大学でドイツ語やフランス語を第2外国語として学ぶ人も少なくないでしょうから、これらの外国語からの連想を使ってエスペラントを楽に習得するとか、逆に、エスペラントを知っていれば、他の外国語をマスターしやすくなるといった利点も利用すべきです。

 エスペラントを学んでもエスペラント国というものはありませんから、実際にエスペラントを使って他人と交流できるのはエスペランティストの大会や講習会に出席した時とか、外国のエスペランティストと会う時です。そんな際に使えそうな会話を覚えることも大切です。この本では例文に工夫が凝らしてありますので、第II章を覚えれば、一応、読んだり、書いたり、話したりするのに必要な力は十分につくように編集してあります。

 本書の目標は、名文ではないにせよ、思うことを自由に手紙や日記に書けて、専門文献や論文以外のふつうの小説や新聞ならすらすら読める、エスペラントの大会に出席した時に会話に困らない、そんなレベルの実力を数時間の学習で獲得することです。

 中学校の英語の授業のような学び方を真正面からの正攻法とすれば、この本の作戦はいわばゲリラ戦法です。中学校で3年間英語を学ぶと、単語をおよそ950~1100語覚え、やさしい欄ならば英文の新聞を読める程度の語学力がつくはずです。それと同程度のエスペラントの語学力をわずか4時間でつけてしまおうというのです。指示通りに勉強すれば、短時間で必ずマスターできます。日本語の本を読むのと同じように、エスペラントの本をすらすらと理解できる快感をぜひ味わってください。これを一度でも体験すると病みつきになって、その醍醐味を忘れられなくなるものです。

 しかし、エスペラントも一つの言語ですから、立派な文を書いたり話したりするのには、ある程度の努力が要ることは、他の民族語とまったく同じです。日本語を例にとれば、「彼女は彼女の頭の上に帽子を置いた」ではなしに「彼女は帽子をかぶった」と、正しい表現を使えるようにしたいものです。それには、模範文を多く読むしかありません。私たちは日本語を一人前に使えるようになるまでに、小学校以来どれほど多くの国語教科書や新聞や雑誌を読んだり、ラジオやテレビを聞いたりしたかを思い起こしてください。

 この本には、名文の例として世界の文学作品5点の書き始めの部分を転載しました。著作権や難易度の関係で北欧が多くなりましたが、日本語訳と各原作の民族語とを添えておきましたので、訳し方の勉強の他にいろいろと役立つでしょう。それぞれの民族語を見てもさっぱり意味が判らないのに、それが一旦エスペラントに訳されると、さっと意味が判る快感はまた格別だと思います。ここには5種類の外国語しか採録してありませんが、全世界には8000もの民族語があるといわれています。そのすべてをマスターすることなどとうてい不可能ですから、国際語がどうしても必要なのです。国際語は邦訳のない小国の文学作品を読むのにも役立ちます。

 せっかく学習を始めても、間もなくやめてしまう人がいるのは、エスペラントが他の外国語とは違う独特の存在意義を持っていることが十分に理解されていないからだろうと思います。それで、文法以外に、歴史その他の面の記述にもかなりの力を注ぎました。

 この本によって、多くの人が短時間で楽にエスペラントをものにされるように願っています。感想をお教え下さい。

 なお、執筆に際し、石野良夫、北川久、Wilhelm Schmid、東海林敬子、中島みほ子、真壁禄郎、山川修一さんに資料提供と助言をいただき、海外の多くのエスペランティストたち、特にフランスのM. J. Liné夫人、オランダのMoerbeek夫妻、スウェーデンのK. Rohdin夫人、デンマークのU. Lohse氏、ギリシャのY. Azgytopoulou嬢に助けていただき、カナダのKlivo Lendon氏には、英語の校閲をお願いしました。

 このたび、1995年の刊行以来、読者のご支持をいただいてきた本書のCDブック化にあたって、コラムを一新し、各種HPの紹介を初め、インターネット関連の情報をふんだんに盛り込みました。

    2006年6月1日  小林 司・萩原 洋子

安達 信明: ニューエクスプレス エスペラント語

ニューエクスプレス エスペラント語

著者:安達 信明

発行:白水社

改版:2008年10月10日

 

はじめに

 このエクスプレス・シリーズで初めてエスペラント語の入門書を出してから、早いもので20年の歳月が流れました。日本人なら成人式を迎える年齢になります。特定の民族語としての歴史を持つこのシリーズの他の諸言語とは異なり、ザメンホフいう個人によって1887年に産み落とされた「計画言語」エスペラント語は、少し変わった言語であると言えるでしょう。コミュニケーションの重要な手段であるはずの言語が、お互いに異なるためにできてしまった壁を克服する、という志を持って生まれてきたという意味でもエスペラント語は個性的な言語です。また産声を上げて以来、常に過去を見据え、現在を踏まえ、そして平和な未来を志向する言語であるという意味では、人類にとって文字通り「希望の言語」であるとも言えるかもしれません。

 エスペラント語というと、人の手で作られた言語という意味で人工的な言語ではないかと先入観を持つ方がいるかもしれません。しかし「文法規則に例外がないという一点を除けば、言葉の仕組みも言葉としての響きも、全く普通の民族語と同じような自然な言語です。これは本書でCDを聞きながら少し勉強をして頂ければ、すぐお分かり頂けることだと思います。また、エスペラント語は決してすでにある民族を押しのけ、それに取って代わろうというような言語ではありません。全ての人にとっての「第二言語」として、規則的で学びやすく、言葉の違いによる壁を克服するための言語なのです。

 この新版では旧シリーズのものに全面的に手を入れました。とは言え、語学書としての基礎には時を超えて通底するものがありますし、紙幅や行数指定等による制約もありますので、特にテキスト本文の改訂ではあまり無理をせず、新版の枠組み内で必要と思われる範囲に留めてあります。旧版では財団法人日本エスペラント学会を始め、各方面のご協力を頂きました。本書にいくらかでも良いところがあるとすればそうした方々のおかげです。そして旧版初版の時よりずっとお世話になっている白水社編集部の稲井洋介さんに、この場をかりてお礼を申し上げたいと思います。

 最後に、エスペラント語に目を止め、今この本を手に取って下さっている読者の方に心よりお礼を申し上げます。

2008年8月  安達 信明

山川 修一: エスペラント 翻訳のコツ 付録:動詞と文型

エスペラント 翻訳のコツ 付録:動詞と文型

著者:山川 修一

発行:JEI

初版:197811月15日

まえがき

 本書は、日本エスペラント学会機関誌La Revuo Orientaに発表した「翻訳のコツ」(197737月号)および「Eの動詞と文型」(197479月号)に手を加えて1冊にまとめたものです。

 本書の狙いは、中級学習者の皆さんに、実力のつく参考書を提供することにあります。従来、中級者向けの参考書は絶対的に不足しており、学習者は、当然知っていなけらばならない語学上のポイントを知らないまま、無駄な時間と労力を費やすことが多かったのではないかと思われます。これに対して、私は英語通訳・翻訳を専門として研究・実践する中で、語学習得および通訳・翻訳に関して多くのことを英語関係者から学び、これをE学習者の役に立てたいと考えてきました。その具体的な成果が上記の拙稿2編であり、中級とはいえ、かなり程度の高い事項まで広範な内容を密度高くまとめたつもりです。学習者の皆さんには効率よくEを習得してもらえるものと思います。

 本書の題名となっている「翻訳のコツ」は、最近一般のE-istoの間にも翻訳の必要性が高まっている実情に鑑み、英語翻訳の参考書・研究書に盛られている内容を整理し、実用的で誰にでも応用できるポイントを、Eの例文によって紹介したものです。翻訳は、本来ならば、Eを一応習得した上級者以上のE-istoが取り組むべきものです。しかし中級者の場合でも、E文読解においては、今までよりも的確にE文の流れや意味合いがつかめるようになり、またE会話・作文においては、自然で、何よりもまして「通じる」Eが使えるようになると信じます。なぜならば、「言葉」を超えて「コミュニケーション」を大切にしようというのが「翻訳のコツ」を流れる精神であり、私の語学観であるからです。

 次に、付録の「Eの動詞と文型」は、翻訳の前提としての正確な語学知識を、動詞を中心にまとめたものです。もともとは、Eを実際に話し書く運用能力の基礎となる必須事項、あるいは日本人学習者の盲点を整理しているうちに出来上がったものです。あいさつ程度の会話に飽き足らず、広く自分の思いを発表する力をつけようとする人にとっては、かなり役立つものと信じます。かなり高度な語学上のポイントも含まれています。とくに英語が十分出来る人にとっては、英語とEの相違点がよく分かるはずです。

 さて、私はつねづねE学習者の皆さんに出来るだけ早くEを習得してもらいたいと考えています。Eを自由に話し書く力を身につけ、国境を越えた一般市民レベルの直接交流を体験し、また場合によっては、翻訳を通じて社会的に意義のある仕事を国際的に展開してもらいたいと考えています。他の外国語は、なかなか習得に至らず、あたかも学習自体に価値があるかのようです。しかしEは学ぶためにあるのではなく、使うためにあるものです。是非とも早期に習得し、実際のコミュニケーションに活用して下さい。

 本書が皆さんのE習得と翻訳技術の向上に少しでも役立つことを期待します。

19781115

山川修一

Mia noto pri la speco-nomo de mevoj

Jen noto pri la speco-nomo de kelkaj mevoj, sed tiuj ĉi vortoj ofte konfuzas nian cerbon. 

( Vidu: KLEG-organo “La Movado” #656 ( oktobro 2005 ) p.6 ) 

 

scienca nomo: Larus ridibundus 

germana nomo: Lachmöwe 

japana nomo: Yuri-kamome  ユリカモメ  百合鴎 

( Ni povas trovi en vortaroj la vorton “ridmevo” ) 

 

scienca nomo: Larus atricilla 

angla nomo: laughing gull 

japana nomo: Warai-kamome  ワライカモメ  笑い鴎 

( “plumbokapa mevo” ) 

 

Cetere estas timinde, ke nuntempe ambaŭ vortoj kaŭzas semantikan konfuzon.  

En la okazo, ke ni tuj momente ne trovas la taŭgan tradukitan vorton pri iu vivaĵo, praktike al ni sufiĉas nur indiki la sciencan nomon kun difina artikolo kaj ties vulgara nomo / ties taksonomia nomo. 

Neniam necesas, ke ni rapideme penas inventi abundon da strangaj vortoj. 

 

En tiu ĉi kazo, “la mevo Larus ridibundus”, “la mevo Larus atricilla”;

aŭ  “la Charadriiformes-orda birdo Larus …” aŭ “la Charadriiformes-birdo Larus …”;

“la Laridae-familia birdo Larus …” aŭ “la  Laridae-birdo Larus …” ktp. 

Se taksonomia nomo estas ne konata tute, ni povas indiki simple “la birdo Larus …” aŭ “la animalo Larus …”. 

  –  Ni povas pli facile praktiki same pri aliaj vivaĵoj, ol pene inventi multe da strangaj vortoj.