山川 修一: エスペラント 翻訳のコツ 付録:動詞と文型

エスペラント 翻訳のコツ 付録:動詞と文型

著者:山川 修一

発行:JEI

初版:197811月15日

まえがき

 本書は、日本エスペラント学会機関誌La Revuo Orientaに発表した「翻訳のコツ」(197737月号)および「Eの動詞と文型」(197479月号)に手を加えて1冊にまとめたものです。

 本書の狙いは、中級学習者の皆さんに、実力のつく参考書を提供することにあります。従来、中級者向けの参考書は絶対的に不足しており、学習者は、当然知っていなけらばならない語学上のポイントを知らないまま、無駄な時間と労力を費やすことが多かったのではないかと思われます。これに対して、私は英語通訳・翻訳を専門として研究・実践する中で、語学習得および通訳・翻訳に関して多くのことを英語関係者から学び、これをE学習者の役に立てたいと考えてきました。その具体的な成果が上記の拙稿2編であり、中級とはいえ、かなり程度の高い事項まで広範な内容を密度高くまとめたつもりです。学習者の皆さんには効率よくEを習得してもらえるものと思います。

 本書の題名となっている「翻訳のコツ」は、最近一般のE-istoの間にも翻訳の必要性が高まっている実情に鑑み、英語翻訳の参考書・研究書に盛られている内容を整理し、実用的で誰にでも応用できるポイントを、Eの例文によって紹介したものです。翻訳は、本来ならば、Eを一応習得した上級者以上のE-istoが取り組むべきものです。しかし中級者の場合でも、E文読解においては、今までよりも的確にE文の流れや意味合いがつかめるようになり、またE会話・作文においては、自然で、何よりもまして「通じる」Eが使えるようになると信じます。なぜならば、「言葉」を超えて「コミュニケーション」を大切にしようというのが「翻訳のコツ」を流れる精神であり、私の語学観であるからです。

 次に、付録の「Eの動詞と文型」は、翻訳の前提としての正確な語学知識を、動詞を中心にまとめたものです。もともとは、Eを実際に話し書く運用能力の基礎となる必須事項、あるいは日本人学習者の盲点を整理しているうちに出来上がったものです。あいさつ程度の会話に飽き足らず、広く自分の思いを発表する力をつけようとする人にとっては、かなり役立つものと信じます。かなり高度な語学上のポイントも含まれています。とくに英語が十分出来る人にとっては、英語とEの相違点がよく分かるはずです。

 さて、私はつねづねE学習者の皆さんに出来るだけ早くEを習得してもらいたいと考えています。Eを自由に話し書く力を身につけ、国境を越えた一般市民レベルの直接交流を体験し、また場合によっては、翻訳を通じて社会的に意義のある仕事を国際的に展開してもらいたいと考えています。他の外国語は、なかなか習得に至らず、あたかも学習自体に価値があるかのようです。しかしEは学ぶためにあるのではなく、使うためにあるものです。是非とも早期に習得し、実際のコミュニケーションに活用して下さい。

 本書が皆さんのE習得と翻訳技術の向上に少しでも役立つことを期待します。

19781115

山川修一

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